FXトレーダーでMT4を利用している方はとても多い傾向にあります。
MT4というと海外FXのイメージが強いかもしれませんが、国内FXでも使えるところはあります。
ただ、MT4に関しては国内FXであまり普及している印象はありません。
実際にMT4を使っているFXトレーダーの多くが国内FXではなく、海外FXを選んでいます。
ここでは、MT4を使っているFXトレーダーが国内FXを選ばない理由について詳しく見ていきたいと思います。
レバレッジの低さ
MT4を使っているFXトレーダーが国内FXを選ばない理由として、まず挙げられるのが国内FXのレバレッジの低さです。
今現在、日本では2011年8月の金融庁によるレバレッジ規制でレバレッジの上限が25倍に制限されています。
国内FXも昔は海外と同じように何百倍というレバレッジでのFXトレードが可能だったのですが、段階的な規制で現在の最大25倍まで制限されるようになりました。
最大50倍だったのが最大25倍になって、今度は最大10倍に規制するという話まで出ています。
国内FXのレバレッジ最大10倍に関しては今すぐどうこうというわけではないものの、今までの流れから考えるとそう遠くない未来にレバレッジ最大10倍に規制されることになるでしょう。
レバレッジというのは、FXにおける醍醐味でもあります。
レバレッジが高いからこそ、少ない資金でも大きな金額を動かすことができるのです。
国内FXではその可能性をどんどんつぶしていっているわけです。
一方で、国内FXとよく比較される海外FXでは一部の国を除いて制限がありませんし、海外FXのレバレッジは平均して約400倍と言われています。
レバレッジ1,000倍というところもあるくらいです。
日本の国内FXとは比になりませんし、こういった具体的な数字を見ると日本の国内FXのレバレッジの低さがまざまざと浮き彫りになります。
レバレッジが高ければ少ない証拠金で取引ができるのに、レバレッジが低ければより多くの証拠金が必要になってきます。
これは十分すぎるほど国内FXを選ばない理由になり得ます。
追証が発生する
FXトレードをする方であれば追証についてはすでにご存知かと思いますが、一応簡単に説明しておきます。
追証というのは「おいしょう」と読むのですが、追加証拠金の略称です。
証拠金が証拠金維持率を下回った場合に維持率を回復するために、FX業者のほうから求められる証拠金のことを指します。
証拠金維持率というのは、保有しているポジションに占める口座残高の割合を示す数字のことです。
追証が発生した場合、追加の証拠金を入金するか、過剰なポジションを決済して証拠金維持率を回復させない場合にはFX業者によってポジションを強制決済されることになります。
通常であれば、FX業者による強制決済がおこなわれることになりますので、FX口座がマイナスになることはありません。
ただ、FXでは急激な相場変動により強制決済が間に合わないといったことも起こり得ます。
そうなってくるとFX口座がマイナスになりますので、預け入れた証拠金以上の損失が出てしまうことになるのです。
FX口座のマイナス分は負債、つまり借金となります。
国内FXではFXトレーダーには返済義務が生じるので、FXで莫大な借金を抱えるといったケースが出てくるのです。
一方で、海外FXになってくると多くのFX業者で「ゼロカットシステム」というものが採用されています。
FX口座のマイナス分をFX業者が補填してくれるので、FXトレーダーは証拠金以上の損失を抱えることがないのです。
追証が発生するというのは、国内FXにおける大きなリスクです。
これもMT4を使っているFXトレーダーが国内FXを選ばない理由のひとつとなっています。
約定力の低さ
FXトレードにおける約定力の高さや低さを知る上では、OTC方式とNDD方式という2つの方式について理解しておく必要があります。
OTC方式
OTCというのは「オーバー・ザ・カウンター」の頭文字を取ったもので、OTC方式というのはFXトレーダーとFX業者が1対1で取引をおこなう方式のことを指します。
ユーザーはFX業者のディーラーと取引し、ディーラーがその先のカバー先金融機関と取引をするという形になります。
この場合、ユーザーからの注文をFX業者が受けたからといってFX業者のディーラーがすぐにカバーを取るとは限りません。
例えば、ユーザーの売りと買いが拮抗していればリスクが少ないのでカバーを取らないこともありますし、相場が急変したときなどにディーラーの判断で約定を拒否することもあり得ます。
NDD方式
NDDというのは「ノー・ディーリング・デスク」の頭文字を取ったもので、NDD方式というのはディーラーを介さずにインターバンクと直接取引をする方式のことを指します。
インターバンク市場というのは、金融機関や証券会社などの限定された市場参加者が取引をおこなう市場のことで、個人のFXトレーダーがインターバンク市場に参加することはできません。
そのため、FX業者が代わりに個人の注文をまとめてインターバンク市場と取引をしてくれるというわけです。
FX業者がユーザーからの注文をインターバンク市場に流してリスクヘッジすることを「カバーを取る」と表現するのですが、NDD方式の場合にはトレーダーからのひとつひとつの注文に対してFX業者は自動的にカバーを取るようになっています。
このようにOTC方式とNDD方式の2つの方式があるわけですが、約定力というのはどちらの方式なのかによって変わってきます。
国内FXではOTC方式を採用しているところが多く、ユーザーはFX業者自体に注文を出すことになります。
OTC方式ではユーザーに提示するレートやユーザーからの注文を約定させるかどうかという部分にFX業者のディーラーの裁量が入ります。
そのため、急な相場変動などの際にはリクオートやスリッページが発生しやすくなり、約定力が低くなってしまうのです。
一方で、海外FXではNDD方式を採用しているところが多いです。
NDD方式であればFX業者のディーラーの裁量が入ることはありませんので、透明性の高い取引ができます。
FX業者のディーラーを介することがなく、インターバンクと直接取引をするので約定力も高くなるというわけです。
OTC方式を採用している国内FXが多いことを考えると、MT4を使っているFXトレーダーが国内FXを選ばないようにするのも納得です。
ボーナスがイマイチ
国内FXと海外FXを比較する際に必ずといっていいほど挙がるのがボーナスの違いです。
もちろん、国内FXでボーナスがないわけではありません。
国内FXでも口座開設でキャッシュバックボーナスがもらえるようなことは珍しくありません。
ただ、海外FXのボーナスと比べてしまうとやはり霞みます。
海外FXだと口座開設でのボーナスに加えて、入金ボーナスや取引ボーナスといったものも用意されています。
先では海外FXではNDD方式を採用しているところが多いという話をしましたが、NDD方式の場合にはスプレッドだけがFX業者の収益となります。
そのため、豪華なボーナスをバンバン出すことでできるだけユーザーにたくさん取引をしてもらおうとするのです。
このボーナスの違いもMT4を使っているFXトレーダーが国内FXを選ばない理由のひとつです。